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科学技術社会論学会 (Japanese Society for Science and Technology Studies)  
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2019/09/16 Monday 01:37:20 JST
 
 
受賞者の研究内容要旨 PDF プリント メール

受賞者の研究内容要旨

柿内賢信記念賞研究助成金 奨励賞
研究課題
「生殖補助医療受診に対する「抵抗感」の分析-各種ART専門職との意識の相違に注目して-」
Different meanings of resistance and reluctance to use assisted reproductive technology as a means to treat infertility: users', providers', and the public's understandings about ART.

竹田恵子(大阪大学大学院人間科学研究科)

研究内容要旨

近年の女性の意識が、子どもを「授かる」から「つくる」という人為性が先鋭化した意識へと変化しつつあるという報告がある。しかし、生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology; ART)の利用に抵抗感を持つ利用者は多く、このような生殖に対する「矛盾した心性」がART利用者の特徴の一つだといえよう。本研究ではART利用者の「矛盾した心性」を解明する手掛かりとして、ART利用の抵抗感に焦点を合わせる。

ARTを生殖に用いる際に生じる抵抗感は、ARTの手技に対するものだけでなく、生殖という、いわば「聖域」に科学技術が介入する事への倫理的な抵抗感も絡まる複雑なものであると考えられる。例えば、排卵を基礎体温等で推測し自然な性交を促すタイミング指導法と、配偶子をART提供者の手で器具を用いて授精させる顕微授精とでは、手技も全く異なるため、抵抗感の質に違いがあることが指摘されている。また、ART提供者(医療専門職)や一般の人々は、ART利用者とは異なった質の抵抗感を持っている可能性も考えられる。そこで、本研究では(1) ART利用者、ART提供者、一般の人々のARTを生殖に用いることに対する意識、(2) ARTが日本社会に普及するに伴って変化していると考えられる妊娠・出産に対する意識を調査し、生殖への技術介入に対する現代日本人の意識を調査する。

柿内賢信記念賞研究助成金 実践賞
研究課題
「日本の科学技術政策形成における非営利組織の役割」
Role of non-profit organization on formation of Japanese science and technology policy

榎木英介(特定非営利活動法人サイエンス・コミュニケーション)

研究内容要旨

近年、科学技術政策形成に多方面の意見を取り入れるべきであるという声が聴かれる。なかでも非営利組織(NPO)は「地域社会と密接にした活動や、個々の国民の要望に対応してきめの細かい対応も可能であるなど、新たな科学技術活動の担い手」として、「我が国の科学技術の方向性や社会的活動を評価し、又は、国民参加型の議論を活性化する等の役割を果た」すことが期待されている(平成16年科学技術白書)。しかし、環境やエネルギーなどの一部の政策課題以外に、科学技術政策を扱うNPOの数は極めて少なく、科学技術政策形成に関与しうるNPOはまれである。そこで応募者は本研究において、NPOサイエンス・コミュニケーション(サイコムジャパン)をモデルに、日本の科学技術政策の形成にNPOがどう関与すべきかを探る。まず日本及び諸外国の科学技術政策に関する情報を収集し、整理した上でインターネット等を通じて市民及び科学研究者に提供する。次に政府の政策担当者等を講師に迎え、科学技術政策に関する講演会等を開催する。そして、上記にて入手した情報を分析し、書籍の形で世の中に提示する。このような活動を継続的に行うことにより、科学技術政策に関心のある市民、科学研究者の数を増やし、市民や科学研究者とともに科学技術政策に関する議論を行っていきたい。長期的にはサイコムジャパンを科学技術に関する政策提言が可能なNPOにすることを目標にする。

 
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