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科学技術社会論学会 (Japanese Society for Science and Technology Studies)  
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2019/06/25 Tuesday 21:14:58 JST
 
 
倶進会理事長のご祝辞 PDF プリント メール

第1回授与式によせられた勝見允行理事長(財団法人倶進会)のご祝辞

 財団法人倶進会は一昨年先の理事長であった故柿内賢信氏の業績を記念して、柿内賢信記念賞及び同研究助成金を制定しました。貴学会がこれらの賞の受賞者の選考に当っていただくことをお引き受け下さり感謝いたします。此の度は第一回の受賞者が決まりましたこと嬉しく存じます。また、受賞者の方々には心からお慶び申し上げます。

 さて、この機会を借りまして、簡単に倶進会のことを説明させていただきたく存じます。財団法人倶進会は柿内賢信氏の父であった故柿内三郎東京大学名誉教授が、退官時に私財を寄付して1943年8月に設立したものです。柿内三郎氏は日本の生化学(Biochemistry)の育ての親であり、日本生化学会設立、国際学会誌 Japanese Journal of Biochemistry の刊行など大きな業績を残された方です。柿内三郎氏は退官にあたり、成長期の子女教育の重要性を痛感し、「薫育事業を通じて国家に有用な人材を養成する」ことを目的として倶進会を設立し、初代理事長としてさまざまな活動を開始しました。しかし、残念なことに第二次世界大戦のため活動は中断され、戦後も活動は低迷せざるを得ませんでした。1967年に柿内三郎氏の死去に伴い、東京大学物理学教授であり、理事であった長男の柿内賢信氏(後国際基督教大学教授)が第二代理事長に就任して、1971年8月にそれまで休眠状態にあった財団を再建復活しました。柿内賢信氏は再建にあたり、時代に則した新しい活動の観点を加味することが必要であると考え、再建の辞の中で次のように述べています。

 「近年の技術革新とそれに伴う社会構造の変化とは、近代に出発した研究開発と、またそれの成果の教育を通じての社会への浸透とによるものと考えられます。私どもはそれらが現代の生存にもたらした結果をかえりみるとき、それらが果して人間の生活条件の真の開発といえるかどうかを問い直さざるをえません。いやしくも研究と教育に関与するものは、この問いを自らへの問いとして、研究と教育に対する態度と方法とを再検討する義務を負担しなければならないと考えます。従って私どもは、今や現実の生存の中から立ち現れてくる問いかけを自ら受け止めつつ、年齢・職域、専門をこえて、ひろく志を同じくする方々と倶に、この時代の課題に応えうる学問を現代の英知として再生しなければ成らないと考えます。」

 倶進会が柿内賢信賞を制定し、御学会にその審査を委託しましたのも、御学会の活動がこのような趣旨に沿うものと考えたからです。

 現在、倶進会は1999年から「広く社会に有為な人材の教育・育成に寄与すること」を目的として、それに関わる事業や研究に助成を行っています。

 終わりに、科学技術社会論学会のますますのご発展と受賞者の方々のさらなるご活躍を祈念して私の挨拶といたします。

2005年11月13日

財団法人倶進会
理事長 勝 見 允 行

 
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