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科学技術社会論学会 (Japanese Society for Science and Technology Studies)  
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2017/06/24 Saturday 12:42:18 JST
 
 
第49回「科学技術社会論研究会」ワークショップ PDF プリント メール
2006/02/27 Monday 08:27:42 JST

 第49回「科学技術社会論研究会」ワークショップ 

 「人工物の政治性を巡って」

2006年3月15日(水) 12:45-18:00
東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室

「科学技術社会論研究会」では、来る3月15日(水)に、以下のワークショップを行います。ご関心をお持ちの方にご案内いたします。

準備の都合上、参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html
 
会の1週間前には、発表梗概などの資料をお送りします。定員があります。ご承知おきください。

本研究会は、焦点の特定テーマを巡るone-day workshopであり、講演会ではありません。今回のテーマに関して、ご自身の課題、また発言されたいことなど、一言お書き添え下さい。参加者内で公開し、討議の際の資料にさせていただきます。

また、終了後、懇親会(会費約5000円)があります。研究交流を深められたらと思います。参加の方はこの点も10日前までにお知らせください。

この案内は、転送自由ですので、ご関心の向きにお知らせください。
                  
事務局では、随時、研究会企画の提案を受け付けています。詳しくは、研究会ウェッブサイト http://www.forumsts.org/ をご覧ください。

事務局


1.ワークショップの目的

 本ワークショップでは、『鯨と原子炉』などで著名なラングドン・ ウィナー氏をお迎えし、「人工物の政治性」の問題圏について、日本の 研究者による具体的な報告を交えて議論を深め、その展開の可能性を探 ることを目指したい。

 「人工物に政治はあるか」という論文が現れてすでに20年以上が経過するが、その議論はいまだ多くのことを投げかけている。

 例えば、今日、科学技術をめぐるコミュニケーションやエンジニアの 倫理の必要性が叫ばれている。だが、もし人工物に内蔵された諸々の政 治的関係――例えば不平等や権威構造――やそうした関係を受け入れかつ統治すべき「市民」のあり方に対する眼差しをまったく欠いてしまうならば、そうしたコミュニケーションや倫理は空疎で批判性を欠いたものでしかありえまい。われわれにとって、技術が人間相互の関係を形づくる一種の立法行為であり、いかなる人工物と共に生きるかは《よき生》を定義するきわめて倫理的、政治的な問いであるという視点は、魅惑的でかつ根本的なものでありつつけている。そしてその理論的・実際的な内実についての立ち入った検討が待たれているのである。

 第一の、ウィナー報告では、この20年間のさまざまな批判と議論をふまえ、人工物の政治性の意義と議論の背景についてお話しいただく。これはこの概念に対する理論的検討と位置づけられる。

 第二の安部報告および第三の石原報告では、実証的事例研究および工学 倫理に即して、人工物の政治性の概念の射程についての検討を行う。

 安部報告では、灌漑やダム事業を例にとり、開発援助やダム撤去の事 例を通じて顕在化するインフラに内蔵される政治性を紹介していただく。石原報告では、人工物にはらまれるリスクの問題に焦点を当て、市民参加や市民との《コミュニケーション》のあり方、とりわけモデルとしてのインフォームド・コンセントの限界について検討していただく。 以上の議論を通じて、人工物をめぐる政治という概念の意義と射程に ついて奥行きを広げることができれば幸いである。

2.ワークショップの時間割

12:45-13:00  趣旨説明 直江清隆 (東北大学)             

13:00-14:00 話題提供1
      Langdon Winner (Rensselaer Polytechnic Institute, New York)
     "Political Artifacts and Their Significance"

The controversial idea of "political artifacts" involves the claim that patterns of material culture are strongly compatible with particular varieties of political practice. Thus, for example, a democratic country that seeks to retain its democratic character ought to choose sociotechnical patterns ("technologies") that are different from patterns that reinforce the norms and practices of  authoritarian states. Specific claims about"political artifacts" inhabit the space between political theory and the factual description of technical possibilities. Interpretations about what constitutes politically desirable forms of transportation, communications, computing, housing, and so forth are open to dispute. In fact, some thinkers argue that interpretations of this kind are so numerous and so weakly rooted as to exclude any strong judgments. But a closer look at the sociotechnical drift of modern societies reveals numerous, specific choices in which political principles crucial to democracy - equality, freedom, privacy, limited government, etc. - are undermined and overridden by technological choices strongly compatible with fascism.  What appear to be conveniences or necessities realized in specific instrumental settings can have lasting consequences for the character of political society as a whole. This suggests a need to cultivate  varieties of wisdom and judgment that modern thought has almost completely ignored.

14:00-14:15 レスポンス1   松本三和夫(東京大学)
14:15-14:45 討議     司会  橋本毅彦(東京大学)

              休憩

15:00-15:40 話題提供2
         安部竜一郎(四国学院大学)
     「人工物はいかにして政治となるか:インフラ設備の政治過程」
    Ryuichiro Abe, "How do artifacts have politics?"

 人工物の設計者は、常に「モーゼスの橋」のように自らの政治的な意図をデザインに埋め込むわけではない。むしろ技術者の多くは、経済性と公共性の狭間に苦しみながらも、その時点における最善を求める努力を続けているのかもしれない。しかし、こうした技術者の個人的な熱意に関わらず、人工物はその計画時から稼動、廃棄に至るまで、より広範な政治的な争いに巻き込まれることが少なくない。このため、本報告では、技術や人工物のデザイン自体ではなく、インフラ事業が導入された政治的文脈やその事業が引き起こした社会的な葛藤に注目することによって、人工物とその背景に潜む政治とを結びつけようと試みる。
 紹介する3つの事例は、フィリピン西ネグロス州の小規模灌漑、インドネシア北スマトラ州の発電用ダム、熊本県の撤去が決まった発電用ダムと事業の性格やその社会的影響も異なっている。従って、本研究では、人工物と政治の関係性の「本質」を見極めようとするのではなく、むしろ人工物を取り巻くより広い政治的文脈の理解に重点が置かれる。

15:40-16:10 話題提供3
         石原孝二(北海道大学)
   「人工物のリスクと工学倫理」
    Kohji Ishihara, "Politics of Artifacts and  Engineering Ethics:
    Informed Consent and Risk Communication "

 工学倫理において、公衆の安全を確保するためのリスク管理は最も重要な要素の一つとしてみなされてきた。しかしリスク管理と密接な関連を持つリスク情報の取り扱いに関しては十分検討されてきたとは言いがたい。リスク情報に関わる問題はしばしばインフォームド・コンセントモデルで考えられてきたが、インフォームド・コンセントはリスク情報の発信者と受信者が対面的な関係にあることを成立要件とする。こうした要件を欠くエンジニアリングのリスク情報の取り扱いは、インフォームド・コンセントモデルではなく、より政治的な含意を持ったリスクコミュニケーションモデルにおいて考えられるべきである。このように工学倫理の中にリスクコミュニケーションの問題を位置づけることにより、工学倫理と「人工物の政治学」の接点を探ることが可能になるものと思われる。
 本発表では人工物のリスク情報に関する取り扱いを倫理学的視点から検討することにより、工学倫理と人工物の政治学の間を架橋することを試みる。

16:10-16:25  レスポンス2  岩崎豪人(関西学院大学)
16:25-16:40  レスポンス3 Langdon Winner
16:40-17:00  討議   司会  湊隆幸(東京大学)

17:00-18:00  総合討議     司会  橋本毅彦

18:30-2O:00  懇親会 

 


 本ワークショップは、人文・社会科学振興プロジェクト研究事業《資源配分メカニズムと公正》との共催です。

 

参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html

科学技術社会論研究会・事務局  
国士舘大学・木原英逸/東京大学・中村征樹・綾部広則・香西豊子

最終更新日 ( 2006/05/08 Monday 17:05:39 JST )
 
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