石橋克彦 著 (集英社 2021/6/17)
「夢の超特急」として計画が進むリニア新幹線計画。これまでも自然環境への影響、電磁波問題などさまざまな問題点が指摘されてきたが、地震学者である著者は、現在計画が進んでいるリニア新幹線には、トンネルが活断層を横切る構造になっていることや、日本有数の山岳地帯深くに掘られたトンネルからの脱出の困難さなど、本質的な欠陥を抱えており、南海トラフといった巨大地震には耐えられないのではないかと診断する。したがって、防災の観点から見れば早急に計画の見直しを図るべきであり、そうしなければ「第二の原発」になると警告する。対抗的専門性とは何かがよくわかる 1 冊。
【綾部広則】