第20 回年次研究大会は、2021 年12 月4 日(土)と12 月5 日(日)の2 日間、オンライン形式で開催された。またあわせて大会用Slack ワークスペースも設置された。参加者数(参加費支払い者を集計)は非会員を含め182名であった。セッションは最大5つが並行し、合計28のセッションが開催された。
一日目は、午前中に9セッションが開催され、昼休み以降に名古屋大学実行委員会企画「名古屋大学におけるジェンダー平等のための取り組み:女性研究者採用・育成」と科学技術社会論学会20周年記念国内イベント「次の20年に向けて―STSとイノベーション」が開催され、非会員参加者にも公開された。その後、総会を挟んで、柿内賢信記念賞授与式および同特別賞受賞者記念講演が実施された。2021年度柿内賢信記念賞の受賞者は、特別賞に小林信一氏(広島大学高等教育研究開発センター特任教授)、奨励賞に藤吉隆雄氏(ブルーインパルスファンネット)、実践賞に小宮健氏(海洋研究開発機構超先鋭研究開発部門研究員)が選出された。二日目は、午前10セッション、午後9セッションの合計19セッションが実施された。懇親会は開催されなかった
今回の年次研究大会は名古屋大学が大会開催を担当した。新型コロナ禍によりオンライン開催を余儀なくされてしまったが、前年度の大会開催実行委員諸氏による経験の積み重ねにより、比較的スムーズに進行した。また、参加者も昨年の経験から慣れが感じられ、各セッションは盛り上がった。Slack等で活発な議論が進行した例もある。また、地理条件に関わらず参加出来るというよさはオンラインならではのものである。だがその一方で、セッション以外での人と人とのコミュニケーションや思いがけない研究上の出会いといったものは限られる。コロナ禍が一段落しているであろう来年度は対面開催の検討も視野に入るものと期待している。
「学会の活動」『科学技術社会論研究』20,139-140(2022)より転載