国際技術哲学会 (SPT) 開催記念シンポジウム
技術とモビリティ ─ 誰もが自在に移動できる未来を実現するために
技術は、人間の移動の範囲を拡大し、短い時間での移動を可能にし、生活世界における私たちのもの考え方や生き方を変化させてきました。今日、AIや自動運転車などの新たな技術の発達は新たな状況をもたらし、今後、都市や農村の生活や企業活動に大きな変化をもたらすと予想されています。モビリティに即してあらためて人間と技術との関係のあり方が問われているのです。6月7日~10日に東京・代々木で開催される「国際技術哲学会(SPT)」では、このテーマについて幅広い議論が取り上げられる予定です。本シンポジウムは、SPT大会の関連イベントとして、自動運転を含む「技術とモビリティ」の現在と未来の課題を、技術哲学、倫理学、都市計画、ロボットデザインなど、多様な視点から議論することを目的としています。
とりわけ注目されるのは、技術開発における市民の役割です。人間の幸福を実現するために、人間とテクノロジーの関係をどのように変えていけばいいのでしょうか。自動運転車に対応するためどのような都市環境をつくりあげていくべきなのでしょうか。近い将来、AIを人間と同じような責任ある存在として扱うことができるのでしょうか。こうした技術や環境は人間中心的なのでしょうか。あるいは誰が人間中心的かどうかを決めることができるのでしょうか。このような問いは個々の学問領域を超え、さらには学問という枠を超え、私たちの文化に大きく依存するものでもあります。
このシンポジウムでは、こうした問いに取り組む海外の最先端の技術哲学者と日本の技術者とが対話し、技術をいかに開かれたものにしていくかを議論します。技術や人間、さらには市民の関わりについて、異なる分野や文化の人びとがどのように考えるかが分かる興味深い内容になると思います。また、会場である日本科学未来館からも講演(実演も検討中)をしていただく予定でいます。このような分野横断的かつ国際的な議論を一般の方々と交わすことで、より創造的なアプローチへの道を切り開くことができればと思います。
概要
- 日時:6月11日(日)13時~16時30分
- 会場:日本科学未来館7階 未来館ホールおよびオンライン〔現地参加・オンライン参加ともに完全無料〕
- 言語:日本語同時通訳付
登壇者
- マーク・クーケルバーク(ウィーン大学:技術哲学・情報哲学)
- アシュレイ・シュウ(バージニア工科大学:自動運転の倫理学)
- 谷口綾子(筑波大学:都市交通計画学専攻)
- 吉藤オリィ(オリィ研究所:ヒューマンコミュニケーション・接客業社会実装)
- 高木啓伸(日本科学未来館副館長:アクセシビリティ)(実演)
- 司会
- 直江清隆(東北大学)
- 筒井晴香(東京大学)
申込
- https://forms.gle/zzb9UGUK8m1WC3G7A (6/9締切)
- 現地参加は同時通訳付き、人数制限あり。オンライン参加は日本語のみ
- 問合せ:spt2023tokyo (a) gmail.com
- 主催:科学技術社会論学会国際技術哲学会実行委員会・科学技術社会論学会
- 共催:東北大学大学院文学研究科哲学研究室・東北大学知のフォーラム・科学研究費補助金基盤研究(B)(23H00557)グローバル化に向けた日本技術哲学の総合的研究・科学研究費補助金基盤研究(C)(19K00047)身体の変容をめぐる技術哲学
- 協賛:早稲田大学総合研究機構ヒューマンパフォーマンス研究所・日本科学未来館研究エリア「運動能力開発・拡張」プロジェクト