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投稿日 2023年7月3日

国際技術哲学会/科学技術社会論学会公開シンポジウムを開催

  • 開催日
    2023年6月11日

2023年6月11日(日)13時から16時半まで、「技術とモビリティ―誰もが自在に移動できる未来を実現するために」が開催されました。本シンポジウムは、6月7日から10日まで開催された国際技術哲学会の開催記念シンポジウムであり、かつ科学技術社会論学会の2023年度学会シンポジウムでもあります。会場となった日本科学未来館7階未来館ホールには約70名が集まり、さらにオンラインでの参加者は86名となりました。
直江清隆SPT2023大会長と筒井晴香氏が司会をつとめ、綾部広則STS学会会長の挨拶につづいて、多様な分野からの5名が講演しました。その後、筒井氏の進行によるパネルディスカッションが行われ、直江氏による挨拶で閉会となりました。シンポジウムの詳細については、今秋発行予定の『科学技術社会論研究』22号に掲載予定です。

(会場となった日本科学未来館)
Mobility and the Politics of AI
マーク・クーケルバーク氏(ウィーン大学:技術哲学・情報哲学)
(技術だけではなく民主主義的な社会を追求すること、市民をモビリティの開発に巻き込んでいくことについて講演するクーケルバーク氏)
(人間中心だけのAIではなく、動物や環境も含めた観点が必要であろうと指摘)

Disabled Futures: Movement, Access, Existence
アシュレイ・シュウ(バージニア工科大学:技術哲学・障害学)      
(様々な事例をもとに講演するシュウ氏。そのお話では「どう生きるか」という根源的な問いかけがなされました)
(モビリティを考えるためには障害を考えなければならない、と指摘するシュウ氏)

「自動化する車」の社会的受容
谷口綾子(筑波大学:都市交通計画学) 
(自動運転車のイメージと社会受容、実証実験に対するNIMBY問題、そして新聞報道についての研究結果を紹介する谷口氏)
(リスク認知マップについて説明をする谷口氏)

視覚障害者のための自律型ナビゲーションロボットAIスーツケース
高木啓伸(日本科学未来館:アクセシビリティ)               
(視覚障害者のためのナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発を紹介する高木氏)
(講演の後には、廊下でAIスーツケースのデモも行われました)

人は寝たきりの先へいける 分身ロボットカフェが創る社会参加
吉藤オリィ(オリィ研究所:ヒューマンコミュニケーション・接客業社会実装)
(吉藤氏は電動車椅子の開発で2004年高校生科学技術チャレンジ文部科学大臣賞を受賞。未来館ホールはその授賞式が行われた場所でもあり「今日ここでお話することがちょっと嬉しく思っています」と語られました)
(外出が困難な方が分身ロボットOriHimeに「乗って」スキー場でソリを楽しむ様子も動画で紹介されました)

パネルディスカッション 
  • 主催:科学技術社会論学会国際技術哲学会実行委員会・科学技術社会論学会
  • 共催:東北大学大学院文学研究科哲学研究室、東北大学知のフォーラム、科学研究費補助金基盤研究(B)(23H00557)グローバル化に向けた日本技術哲学の総合的研究、科学研究費補助金基盤研究(C)(19K00047)身体の変容をめぐる技術哲学
  • 協賛:早稲田大学総合研究機構ヒューマンパフォーマンス研究所、日本科学未来館研究エリア「運動能力開発・拡張」プロジェクト