2024年度科学技術社会論学会シンポジウム「ジェンダード・イノベーション:研究開発における社会的公正の可能性と課題」を、2024年9月28日に国際基督教大学東ヶ崎潔記念ダイアログハウス国際会議室において、オンラインとのハイブリッドで開催しました(主催:科学技術社会論学会、後援:研究・イノベーション学会、国際ジェンダー学会、日本科学史学会、日本工学会、日本工学教育協会、日本女性学会)。会場とオンラインを合わせて約100人が参加しました。
シンポジウムは、近年、世界的に注目を集める「ジェンダード・イノベーション(GI)」の可能性と課題について、特に研究開発における社会的公正の観点から議論するという趣旨で行いました。生命科学者の立場で日本におけるGIの導入に関する研究・実践を幅広く展開する佐々木成江氏(横浜国立大学/東京大学)が「生命科学におけるGIとその科学技術政策への展開」と題して講演した後、村瀬泰菜氏(東京大学)、鶴田想人氏(大阪大学)、標葉靖子氏(実践女子大学)の3会員が、GIや関連するテーマについての各々の研究を報告しました。
4人の発表の後、隠岐さや香氏(東京大学)の進行で総合討論が行われ、GIをめぐる日本の現在地や、GIの概念や実践の伝え方などについて、活発に議論が交わされました。全体司会は山口富子氏(国際基督教大学)が務めました。
なお、本シンポジウムの講演内容は『科学技術社会論研究』24号(2025年度発行)の特集として出版される予定です。
科学技術社会論学会理事として本シンポジウムの企画の中心を担われた夏目賢一さんは、シンポジウム開催を目前にした9月6日、逝去されました。関係者一同、謹んで哀悼の意を表します。シンポジウムは、夏目さんのご遺志にできる限り沿った形で当初の予定通り開催しました。