荻原彰 著(新曜社 2024/10/17)
本書は、改めてリスク社会における科学技術との付き合い方について再考すべき理由を丁寧に論じ、加えて、その付き合い方を身につけるための科学教育の在り方についてもその方向性を具体的に提示している。著者が高等学校教諭から大学教員へとキャリアを重ねてきた経歴を反映してか、巻末では学校におけるトランスサイエンス問題に関する科学教育の在り方について、実践的な3段階のアプローチが提案されている。科学教育やサイエンス・コミュニケーションなどVUCAの時代における広義の学びのあり方を模索している読者にとって、価値のある一冊である。
【評:城下英行】
