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投稿日 2013年7月30日

第11回年次研究大会(総合研究大学院大学)報告

  • 開催期間
    2012年11月16日2012年11月18日

第11回年次研究大会は、2011年11月16日(金)から18日(日)にかけて、総合研究大学院大学をホスト校として、湘南国際村センター(神奈川県三浦郡葉山町)を会場として開催された。非会員を含めて139名が参加し、44の一般研究発表と14のオーガナイズセッション・ワークショップが行われた。

第11回年次研究大会は、16日金曜日夕方のナイトセッション①よりスタートした。このナイトセッションでは「STSの多様性と日本のSTSの方向性」と題して、藤垣裕子氏(東京大学)、伊藤憲二氏(総合研究大学院大学)、中村征樹氏(大阪大学)、隠岐さや香氏(広島大学)、標葉隆馬氏(総合研究大学院大学)らによる話題提供の元、STSの現状と枠組みについて忌憚のない議論が行われた。

翌日の17日土曜日の朝からは一般発表ならびに各種セッションが5つの会場で行われた。また午後からは、総会・柿内賢信記念賞研究助成金授与式が行われた。その後、2008年にノーベル物理学賞を受賞された小林誠氏(高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授・日本学術振興会理事)による「基礎科学と社会」と題した記念講演会が行われた。記念講演会の後、懇親会が行われ、約40人が参加し、交流を深めた。また、第11回大会では懇親会の後に、「ポピュラーカルチャーから見る科学技術」と題したナイトセッション②を行われ、瀬戸口明久氏(大阪市立大学)、八代嘉美氏(慶應義塾大学)による講演と議論が行われた。総じて、終日を通した活発な議論があったと言える。また最終日18日のお昼休みには、Book Reading Seminarと題して、STS分野の主要なジャーナルや教科書を紹介する試みが行われ、盛況をはくした。STSに関わる研究や議論への積極的参加を促す試みとして今後も継続されることが望まれる。

第11回の年次研究大会では5つの平行セッションにより多くの演題が発表された。昨年度に引き続き、2011年3月11日に発生した東日本大震災と続く福島第一原子力発電所事故に関わる問題の分析と考察を行うセッションが複数あった。

参加者数や発表の内訳は以下の通りである。

(参加者)

会員(一般・学生会員) 123名
非会員(含・総研大関係者) 16名
総計 139名

(発表)

一般グループセッション 13件(講演数44)
オーガナイズドセッション・ワークショップ 14件(講演数63)
事務局企画シンポジウム 3件(講演数10)
記念講演会 1件(講演数1)
セッション総数 31

注1)講演数にはコメンテーターによる話題提供の数を含む
注2)文章中における所属は当時のものである


「学会の活動」『科学技術社会論研究』10, 166(2013)より転載